カスザメに言われて無線を耳につけた。
「・・・アァ?」
何だこりゃ。
耳に届いたのは砂の音のような雑音。
・・・・・おかしい。
この無線機に雑音なんてありえねぇ筈だが。
(・・・・・・チッ)
こんな時に故障かよ。
雑音の煩さに耐えきれず無線を外そうとした、その時、
「・・・・・・・・・?」
何かが聞こえてきた。雑音にまぎれて。
(なんだ?)
確かに何かが聞こえてくる。
何か。
何か。
ヒトの様な声が。
(なんだ、ちゃんと動いているじゃねぇか)
最初はそう思った。
部下の声だとそう思った。
だけど、
――――ドクンッ。
心臓が一つ大きく鼓動した。
ああ。
まさか、まさかそんな。
そんな筈はない。有りえない。
だって、だってもう死んだんだ。死んだ筈だろう?
でも、この声は・・。
この声は確かにアイツの声で。
間違えようのない、間違える筈がない
何度も何度も聞きたいと願ってやまなかった
俺の心を唯一支配する愛しくて堪らない男の声。
「――――ッ」
記憶の中にある声よりどこか幼さの残る声だったが
それでも間違いはなかった。
雑音にまぎれて聞こえてきたのは
(つな・・・・・・・よしっ・・・・・)
涙がまた溢れて来た。
ボンゴレ専用の通信回線のもろもろで
何の因果かはたまた神のいたずらか
遥か遠い日本の今使ってるあの通信電波と、
イタリアにいるヴァリアーの通信電波が交ってしまって
こんなことが・・・ハァハァ。
おこったら・・・・ハァハァ。
どうしよう・・・・・・グハァ!
ほんと妄想逞しいな自分。
というかほんとボスを泣かせ過ぎですみません。
